皆様お疲れ様です。
現役看護師のにっと~です。
前回に引き続き介護施設などの「最期の住まい」のお話をさせていただきます。
ざっくりとした介護施設やその他施設については
特養・老健・サ高住・有料老人ホームを徹底比較!最後の住処の選び方
特別養護老人ホーム(特養)とは?費用・入居条件・特徴をわかりやすく解説
介護老人保健施設(老健)とは?入居条件・費用・特徴をわかりやすく解説
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?費用・特徴・入居の流れをわかりやすく解説
に記載しておりますので、そちらもご覧ください。
やや「最期の住まい」としてはイメージがわかない方もいらっしゃると思いますが、一つの選択肢として、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)というものがあります。
介護保険で利用可能な施設ですが、ご存じない方もいらっしゃると思います。
今回は、看護や介護の現場での経験をもとに、グループホームの特徴や費用、医療面のサポート体制などについてまとめます。
この記事では、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の詳細・費用・メリットデメリットをわかりやすく解説します。
- 「できる限り自由に自分らしく生活したい」
- 「1人部屋でゆっくりと自分らしく生活をしたい」
などと考えられている方に加えて、
- 「家族の今後を考えると1人では不安でどうしよう」
- 「できるだけ家族の希望を叶えられる施設を探している」
などの方、是非最後までみてくださいね。

グループホームの基本概要
お年を召したご家族様が認知症と診断されるといろいろな問題点が出てきます。
自宅で過ごされていたとしても、徐々に自宅でも生活も難しくなってくる可能性もあります。
そのうえで介護が難しくなったとき、次の暮らしの場をどう選ぶかは大きな課題といえます。
「老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」などいくつかの選択肢がありますが、その中でも 認知症の方に特化した住まい が「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」です。
施設の基本概要として、
- 介護保険サービスの一つで、認知症の方が少人数で共同生活を送る施設
- 1ユニット9人前後の小規模で、家庭的な環境の中で生活を支援
- 対象となるのは、要支援2以上かつ認知症の診断を受けた方
などがあります。
提供されるサービス
グループホームでは「できることを活かしながら暮らす」ことを大切にしています。
- 生活援助:食事作り、掃除、洗濯などをスタッフと一緒に行う
- 身体介助:入浴、排泄、服薬管理など
- レクリエーション:体操や手工芸、地域との交流イベント
- 認知症ケア:混乱を減らし、安心感を持って過ごせるよう工夫
などがあります。
施設によって多少サービス内容は変わることもあるとは思いますので、ご希望の方はぜひ一度実際にお話を聞いてみてくださいね。
また、実際に僕が勤めている訪問看護ステーションで連携しているグループホームのだいたいのスケジュールをご紹介します。
実際にご利用者様にしてもらっていることを今回ご記載します。
- 5時~6時頃:覚醒後のモーニングケア(口腔ケア、更衣など)、排泄ケア
- 7時:朝食
- 8時~9時:適宜排泄ケア、服をたたむなどの日常生活を一緒に
- 10時:レクリエーション
- 12時:昼食
- 13時~15時:レクリエーションや洗濯、食器洗い、できる範囲での掃除
- 15時:おやつ
- 16時~17時:レクリエーション
- 18時:夕食
- 19時~20時:ナイトケア(口腔ケア、更衣など)
- 21時:入眠
※随時曜日に合わせて入浴などもあります。
※随時施設スタッフが入眠中も巡回、排泄ケアなどを行います。
メリット
- 少人数で家庭的な雰囲気があり、落ち着いて暮らせる
- 認知症ケアに理解のあるスタッフが配置されている
- 地域に根ざしており、自宅に近い環境で過ごしやすい
などが上がります。
デメリット
- 医療的な処置が必要になると対応が難しく、転居を検討せざるを得ないこともある
- 看護師が常勤しているわけではない
- 定員が少なく、希望してもすぐに入れない場合がある
基本的には介護スタッフが対応しており、医療面ではやや不安な部分もあるかもしれませんが、施設によっては訪問看護と連携を図っているところも多くあります。
ご不安があれば、是非一度聞いてみてくださいね。
費用の目安
費用は地域や施設によって差がありますが、
- 家賃・食費・光熱費
- 介護サービス費(自己負担1〜3割)
を合わせて 月15〜20万円前後 が目安です。
ただ、施設によっては多少の差があることもあります。
ぜひ詳細はその施設に確認してみてくださいね。
医療対応と訪問看護との連携
グループホームでは医療体制が限定的なため、必要に応じて外部の訪問看護を利用できます。
例えば…
- 褥瘡(床ずれ)の処置
- 服薬管理
- インスリン注射
- 看取り期の支援
など、医療的なケアは訪問看護師が担い、介護職員と連携して暮らしを支えます。
また、余談ですが基本的にグループホームにご入居されている方は介護保険での訪問看護の利用ができません。
ただ医療保険では介入が可能となります。
介入の方法については
をご参照ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はグループホーム(認知症対応型共同生活介護)についてのお話をさせていただきました。
グループホームは、
- 認知症の方が安心して暮らせる「家庭的な住まい」
- 医療ニーズが出てきた時には「訪問看護との連携」がポイント
という特徴があります。
グループホームはより家庭らしさを大事に、また日々に刺激があることでハリのある生活を送ることができるように考えられた施設です。
最後の住まいを考えるときは、
- 施設の雰囲気
- 医療との連携体制
- 費用のバランス
を事前に確認しておくことが大切です。
詳細に関しては
にも介護保険の概要に加えて、介護保険施設のことも記載がありますので、そちらもご参照ください。
ぜひ皆様がよりよい生活を送ることができることをお祈りしております。
では本日もありがとうございました。
お疲れ様でした~
コメント