介護老人保健施設(老健)とは?入居条件・費用・特徴をわかりやすく解説

在宅介護のあれこれ

皆様お疲れ様です。

現役看護師のにっと~です。

前回に引き続き介護施設などの「最期の住まい」のお話をさせていただきます。

ざっくりとした介護施設やその他施設については

 特養・老健・サ高住・有料老人ホームを徹底比較!最後の住処の選び方

 特別養護老人ホーム(特養)とは?費用・入居条件・特徴をわかりやすく解説

 介護老人保健施設(老健)とは?入居条件・費用・特徴をわかりやすく解説

 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?費用・特徴・入居の流れをわかりやすく解説

 有料老人ホームとは?種類・費用・特徴をわかりやすく解説

 グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは?最後の住まいの選択肢として

に記載しておりますので、そちらもご覧ください。

さて、病院で勤務しているとき、

「加算の都合上、後1週間で退院させないといけない」などのことがありました。

正直状態はあまりよくありませんし、リハビリも進んでおらず、日常の生活動作は入院前と比べてかなり低下していました。

病院の決まりの部分もありますし、ベースの精神状態の部分はやや改善していたことから退院調整に入りました。

ただ、後から聞いた話ですが退院後にふらついて転倒、そのまま救急搬送され、次は整形外科に入院となってしまいました。

制度の部分もそうですし、経験領域から有意義なリハビリ対応ができなかったことから、少しわだかまりがあったのを覚えています。

  • 「自宅に帰りたいけれど、すぐには難しい」
  • 「退院後、もう少しリハビリを続けたい」

など、そんな場合に利用できるといいと思われるのが

 介護老人保健施設(通称:老健) です。

特養や有料老人ホームと違い、老健は 「在宅復帰」 を目的とした中間施設 という特徴があります。

現在ケアマネジャーの資格を取得して上記施設を知りましたが、知っていたらそこを提案できれば、また違った未来になっていたのかなとも思います。

皆様にはそのような思いをしたりしてほしくないなと思い、今回記載しています。

入院中、ないし在宅でもリハビリや一時的にケアを要するご利用者様、そのご家族様、退院調整を行っている看護師、スタッフなどに是非見てもらえると幸いです。

介護老人保健施設(老健)とは?

  • 医師・看護師・リハビリスタッフ・介護職がチームで支援
  • 「病院」と「自宅」の中間に位置づけられる施設
  • 入居ではなく 入所(一定期間の利用) という扱い
  • 医療ケアやリハビリに重点を置き、最終的には在宅生活へ戻ることを目指す

上記の目的、役割を持った介護施設です。

特に医者や看護師が常駐しており、かつリハビリスタッフが豊富にいるというのが強みかなと思います。

詳しくは

参考文書・公的リンク集

にも介護保険施設・高齢者福祉の件も詳細な記載がありますので、そちらも参照ください。


入所条件

  • 65歳以上で 要介護1以上(介護認定が必要)
  • 医療的に安定している方(急性期治療は対象外)
  • 「リハビリをして在宅復帰を目指したい」という人に適している

上記があがります。


費用の目安

  • 入居一時金:不要(0円)
  • 月額費用:
    • 8万〜15万円程度(介護度・居室タイプによる)
    • 食費・居住費・日常生活費を含む
  • 医療保険・介護保険の自己負担あり

特養と同じくらいの費用感ですが、長期利用は想定されておらず、だいたい3ヶ月程度が目安となります。

費用に関してはおおよその相場を記載しておりますので、詳細に関しては、直接老健や担当ケアマネジャー、医療ソーシャルワーカーなどに確認のほどをお願いします。


老健のメリット

  • 医師・看護師が常勤しており医療対応に安心感
  • リハビリスタッフによる訓練が充実
  • 在宅復帰を目指した生活訓練が受けられる
  • 入居一時金が不要

上記などがあがります。

特に入院中は臥床時間が長かったり、疾患の都合上、安静を保つ必要があったりと、高頻度で日常的な生活動作は低下する傾向があります。

上記でもお話しましたが、そのまま家に帰っていつも通りの生活が送れる方は、経験上あまりおられません。

また、家で訪問看護やリハビリ、デイサービスやデイケアなどに行かれながら過ごされる方もいますが、やはり元々の動作レベルまで戻すのは大変と思います。

そんな方にも老健はいいかなと思っています。

短期に集中して医学的管理の中、リハビリを行えることは老健の強みと思います。


老健のデメリット

  • あくまで「在宅復帰」が目的で長期入所は難しい
  • 個室は少なく、相部屋が多い
  • 医療依存度が高い方(人工呼吸器など)は受け入れが難しい
  • 「終の住処」にはなりにくい

などがあがります。

重ねて言いますが、あくまで在宅復帰を目的とした施設のため、長期間の入居はできません。

長くても3ヶ月程度かなと思います。

老健を退所後の在宅での生活も考える必要があります。

退所後の先に在宅での生活をご希望の方は、是非訪問看護や訪問リハビリ、訪問介護などもご検討ください。

訪問看護については、

訪問看護の利用の流れについて解説!~医療保険編~

訪問看護の利用の流れについて解説!~介護保険編~

訪問看護師が解説!訪問看護と訪問介護の違いをわかりやすく解説

などでもお話しておりますので、そちらもご参照くださいね。


老健が向いている人

  • 病院を退院したばかりで、自宅に戻る準備をしたい
  • リハビリをしっかり受けてから在宅に戻りたい
  • 家族の介護体制を整えるまでの一時利用をしたい
  • 医療ニーズはあるが、急性期ほどではない

などがあがります。

上記に当てはまる人は、退所後の生活を有意義に過ごすための準備期間として、ご利用されるもの一つの手段と思います。


入所を検討する際の流れ

  1. ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーに相談
  2. 医師の診療情報提供書などを添えて申し込み
  3. 面談・判定会議で入所の可否が決まる
  4. 入所し、リハビリ・生活訓練を受ける
  5. 在宅復帰または他施設へ移行

などの流れをたどります。

ポイントは「ゴールが在宅復帰」であることを理解しておくことといえます。

あくまでも「準備期間」としてご利用者様は日常生活動作のリハビリなどを行い、ご家族様はこれから住む家の物理的な環境や介護体制を整えるなどがいいかなと思います。

ご本人様のリハビリももちろんですが、ご家族様の負担も十二分にわかります。

僕自身も祖母でいろいろ経験しました。

その詳細は

特別養護老人ホーム(特養)とは?費用・入居条件・特徴をわかりやすく解説

でも記載しています。

ご家族様もいろいろ悩むことはあると思いますが、是非担当のケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーにもご相談ください。

きっといろいろな案や対応方法をご提示してくれると思います。

その中から実際に赴いたり、話を聞いたりして、本当に本人様が望む生活をできるものや実現可能そうなものを選定してください。

関係機関は皆さん味方です。

ぜひお気軽に相談くださいね。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は介護老人保険施設(老健)についてお話させていただきました。

老健は、病院と自宅の中間地点 に位置する施設であり、医療とリハビリに力を入れています。

ただし、長期的に暮らす施設ではなく、あくまで 在宅復帰を目指すためのステップです。

退院後の生活に不安がある方や、リハビリを続けたい方にとって有効な選択肢といえます。

  • このまま家に戻って大丈夫かな?
  • 家族に迷惑かけないかな?

などとお考えの方、

加えて、看護師やスタッフでも

  • この人の状態で、在宅での生活は可能かな?
  • ご家族様の負担は大丈夫かな?

などとお考えの方、一度ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーなどにご相談ください。

在宅での生活、その背景まで考えて、選択肢を提示できればすごくいいことかなと思います。

ぜひ一度ご相談してみてくださいね。

では本日もありがとうございました。

お疲れ様でした〜

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