皆様お疲れ様です。
現役看護師にっと〜です。
現在訪問看護をご利用されている方で、体の状態から、
「もうこのまま家で一生を過ごすのかな」
「もうしんどいし、このまま横になって過ごそうかな」
などと考えられている方はいらっしゃいませんか?
お体の状態から「最期までに本当にしたいこと」に対して蓋をしていませんか?
僕も訪問看護師という仕事上、いろいろな方を見てきましたが、「最期に~をしたかったな」などと心残りを残して旅立たれる方も少なくありません。
ご本人様はもちろんですが、ご家族様にも心残りがある状態で旅立たれる方もしばしばいらっしゃいます。
僕ら看護師もそのような事案があると、
「もっとこうしてあげられたら、、」
「もっと早く先生とか関係機関につなげられていたら、、」
などと考えることも少なくありません。
無事にご本人様、ご家族様のご希望通りにご自宅で旅立ちの日を迎えられたとしても、ご利用者様、ご家族様はもちろんの事、看護師やその方に携わっている方に心残りがある状態はあまりいいとは言えませんよね。
ぜひそのような方々に自費でのサービスをおすすめしたいと思っています。
ご利用者様、ご家族様はもちろん、スタッフにも有意義なものと考えています。
前置きが長くなりましたが、今回は自費サービスを実際に提供した流れ、その実際について事例を用いてお話させていただければと思います。
訪問看護での自費サービスの詳細については、
訪問看護の自費サービスって?本当にしたいことをサポートします!
で解説していますので、そちらもご覧くださいね。
また訪問看護のサービスについては
訪問看護師が解説!訪問看護と訪問介護の違いをわかりやすく解説
などで解説しています。
そちらもご興味があれば、一緒に見ていただけますと幸いです。

訪問看護での自費サービスの実際
訪問看護での自費サービスの流れについては、
訪問看護の自費サービスって?本当にしたいことをサポートします!
をご参照ください。
事例 間質性肺炎で継続してO2投与を要する方
今回は表題の方の事例をご紹介させていただきます。
- A氏 90歳 女性
- 間質性肺炎を罹患されており、継続的にO2投与を要する状態
- サービス付き高齢者向け住宅に住まれており、適宜ヘルパーのケアをうけて生活
- シルバーカーでの歩行は可能であるが、歩行時にはSPO2低下が著明
- ご家族様はもともとよく言っていたお寺へのお参りや食事へ一緒に行きたいが、酸素の管理に不安感が強く、連れ出せない
上記の方を実際にお寺と食事へ看護師、関係機関を交えながら一緒に行ったお話をさせていただきます。
面談
まず、ご本人様、ご家族様と面談、ニーズの確認を行いました。
ご家族様とは現状の報告や内服変更、状態変化時に都度ご連絡、ないし面会に来られた際によくお話をしており、「体の状態がましになったら、いつも行っていたお寺にお参りに行きたい」とは穴されていました。
間質性肺炎が既往にあり、酸素の脱却が困難な状況でもあるため、ご本人様とご家族様と一度今後の方向性について話し合いを行いました。
ご本人様は施設での生活には満足されておられ、「食事もおいしいし、このままでいい」とのことでしたが、ご家族様は「いつも行っていたお寺にはいかなくていいの?」とお尋ねになられました。
ご本人様はやや気を遣った感じで「大丈夫」と話されていましたが、ご家族様の同行を気遣ってのものとすぐにわかりました。
そこで看護師での自費サービスを用いて同行が可能なことをご説明すると「そんなんできるの?ありがたいわー」と目を輝かせていました。
ずっとお寺にはお参りに行きたかったようで、自費サービス利用にむけて調整していく方向となりました。
主治医に相談、実現可能かの確認、急変時の対応確認
面談を経て、主治医に確認をしました。
- SPO2(酸素飽和度)95%未満でO2 0.5LUPで指示をもらっており、その指示を継続を継続で対応
- 歩行や活動の際には、SPO2低下する傾向があるため、都度活動の際にはSPO2を測定し、都度O2増減で対応
- 急変の際には、外出先が同じ県内のため、搬送先に経緯を説明し、そのまま救急搬送
上記の指示を確認しました。
実現は可能と主治医、看護師も判断し、次の段階へ移行します。
計画書、タイムスケジュールの確認、関係機関の調整
実現可能性は確認したら、訪問看護の自費サービス計画書を作成しました。
- 計画書にはいつ、誰とどこにいくのか
- そのタイムスケジュール
- 主治医からのご指示
- 移動手段
- おおよその費用
上記について看護師で考察、調整、計画書の作成を行いました。
あらかじめご家族様からは同行を希望されていたため、同行ケースで検討しました。
- 出発前に一度排泄を促したうえで、現地に到着まで1時間程度。
- 到着後にバリアフリートイレを用いて排泄、お参り後の道中でご本人様が好きな海鮮系の飲食店で食事。
- 飲食店で排泄後に施設に戻る
等を時系列で検討しました。
当日に対応可能な介護タクシーも探し、スケジュール的に可能かの確認、仮予約をしました。
また、タイムスケジュール調整と同時に物品の検討も行いました。
リハビリパンツとパット、袋などは余分目に、加えて酸素ボンベは予備を含めて酸素会社と調整し、2本用意しました。
ご本人様、ご家族様と面談、同意を得る
上記を作成し、再度ご本人様、ご家族様と面談し、上記内容でいいかを確認しました。
主治医の指示や急変時の注意点、外出中にて急変時の対応には遅れが出る可能性などをしっかり説明の上、同意を得てサインをもらい、当日に挑みます。
介護タクシー会社にはその旨を連絡し、調整を依頼しました。
実際に対応
ご家族様のご都合もあり、9時30分施設発で調整しました。
9時ごろに施設で一度トイレ誘導し、最終の物品確認をします。
ご家族様到着より出発、念のため車いすを持参しました。
逐一SPO2測定を行い、記録の作成、ご本人様、ご家族様に現状報告をしました。
また道中ではご本人様の昔話や世間話で大いに盛り上がり、僕自身もすごく楽しい時間でした。
到着後はスケジュール通り、排泄介助を行い、無事念願のお参りを果たせました。
やはり活動時にはSPO2低下あり、できるだけ負担を減らせるように車いすでの移送に変更、都度O2量も変更し、対応しました。
お参り後は予定していた飲食店で食事をとっていただきました。
ご本人様は嚥下上には大きく問題なかったため、そのままの形状で摂取していただきました。
食事後には再度排泄ケアを行い、介護タクシーを調整、施設に戻りました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は訪問看護の自費サービスでの実際をご紹介させていただきました。
ご家族様だけでは不安な事案も看護師が同行なら安心という声も確かにあります。
ぜひやりたいことなどがある、いきたいところがある方は、一度訪問看護師に相談してみてください。
事業所にはよるかもしれませんが、本当にしたいことを叶えられる可能性があるかもしれません。
また、看護師でもニーズを聞けているが、保険請求上難しいなどの場合には自費サービスでの提案も考慮してみてください。
僕自身自費でのサービスを通して、看護師としての「やっててよかった」などのやりがいを大いに感じました。
ぜひご興味のある方は訪問看護師、ないし自費サービスを提供している事業所にご相談くださいね。
皆様の人生がより良いものになるように心よりお祈りしています。
今回もありがとうございました。
ではお疲れ様でした~
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