看護師必見!神経伝達物質について解説!

医療のあれこれ

皆様お疲れ様です。

現役看護師にっと~です。

今回は神経伝達物質についてお話させていただければと思います。

看護師として業務していくにあたって、「不穏時」、「不眠時」等主治医からの指示でよく聞きませんか?

患者様、ご利用者様の精神状態安定を図るにあたって「向精神薬」といわれる薬剤をよく使います。

ただ、使うにあたっても基礎の部分を知っているか知らないかで薬剤選択や観察の視点が広がります。

まずはその基礎の部分にあたる神経伝達物質について解説します。

わかりやすくざっくばらんにお話しさせていただきますので、是非最後まで見ていってくださいね。

神経伝達物質とは?

まず神経伝達物質ってなに?となる方もいらっしゃると思います。

神経伝達物質とは、脳内の神経細胞から隣の神経細胞や筋肉に情報を伝える「メッセンジャー」といわれる物質のことです。

「、、、なんのこと?」となりますよね。笑

イメージとしては「回覧板」みたいなものかなと思います。

地域の一軒家にお住いの方ならご存じかと思いますが、地域での決まり事やおしらせを伝達するために文書を順番に横の家に届けています。

神経伝達物質も回覧板みたいなもので、脳から発信された情報(神経伝達物質)を横隣の細胞、またその次の細胞へと情報伝達されて感情や筋肉の運動に至っています。

町内会で決まったことが横隣の家に文書で情報伝達されて、町内での祭りや清掃運動に至るみたいなイメージでいいと思います。

神経伝達物質にもいろいろな種類がありますが、今回は特に精神科や看護師が触ることの多い薬剤に関連が深いものをお伝えさせていただきますね。

神経伝達物質の種類

神経伝達物質にはこれらの種類があります。

ドーパミン

主に快楽や意欲、集中力等に作用する物質です。

よく脳内報酬系とかって聞きませんか?

目標達成や新しい刺激に対して分泌が促進される物質です。

簡単にいうと、いっぱい出るとすごく気分は楽しくなり、少ししかでないとやる気がでない、どんよりとした気分みたいな感じです。

余談ですが、パチンコ依存症の人等はドーパミンの関与が大きいとされています。

パチンコで勝った新しい刺激に対して大量のドーパミンが分泌され、すごく嬉しい、気分が高まります。

その状態を経験してしまうと、人は「もう一度あの経験をしたい」と思うようになります。

それらが繰り返し行われることで、「依存症」へ移行する流れとなります。

重ねて余談ですが、覚せい剤もドーパミンを増やす効果があるため、上記のような状態となり、依存性が生じるという流れになります。

ドーパミンは増えればいいというものでもなく、増えすぎると統合失調症や先ほどお話した依存症というものへつながります。

統合失調症は精神疾患で主に幻覚や妄想といった症状を引き起こします。

精神疾患に関しては、また機会があればお話しさせていただきますね。

逆に減りすぎるとパーキンソン病錐体外路障害等につながるといわれています。

ノルアドレナリン

交感神経などに関わり、主に活動や意欲、覚醒などに関わる物質です。

よくアドレナリンが出てる!等漫画などで見かけませんか?笑

基本的には血液循環に作用し、血圧調整や精神状態の調整に関与します。

増えると血管が収縮し、血圧を上昇、逆は低下します。

ストレスホルモンともいわれており、ストレスがかかると分泌され、血圧をあげて戦闘態勢にするようなイメージです。

ではよく耳にするアドレナリンとどのように違うのか気になりませんか?

ノルアドレナリンは脳に、アドレナリンは体に作用するといわれています。

純粋に作用部位が異なると思ってもらえたらいいと思います。

増えすぎると不安や恐怖、焦燥感、イライラ、パニック発作などを生じ、減りすぎると睡眠障害や意欲の減退などを生じます。

セロトニン

他の神経伝達物質の調整、安定を図る神経伝達物質です。

幸福感安心感にも関与する神経伝達物質といわれています。

ノルアドレナリンやドーパミンの働きをコントロールし、精神を調整する働きを持ちます。

某有名なアニメ ちび〇子ちゃんのおじいちゃんみたいなイメージです。笑

(〇子とお姉ちゃんが喧嘩の際に仲裁、場を和ませているイメージがあったので例に出しました。)

主に消化器に多く点在するため、セロトニンの異常にて消化器症状が多く出現します。

よく気分が落ち込んだり、何か辛いことなどがあったときって、おなかが痛くなったり、便が緩くなったり、胃が痛くなったりしませんか?

上記が理由としてあがってきます。

また、体温調整や生体リズム、睡眠などにも関与します。

また、うつ病に関与すると言われており、減少にて抑うつ気分や不安、強迫観念、睡眠障害などを生じます。

ちなみにセロトニンを増やす方法としては、

  • 太陽の日をあびる
  • 適度な運動
  • バナナなどのトリプトファンを多く含む食材を摂取する

等が有効といわれています。

アセチルコリン

副交感神経に関与し、血圧や脈拍を下げたり、学習や記憶にも関与します。

認知症にも関係があり、主にアルツハイマー型認知症に関係性があるとされています。

認知症治療薬のほとんどはアセチルコリンに関係します。

また、筋肉の収縮にも関与する物質です。

ちなみにですが、たばこはニコチンを含みますが、このニコチンはアセチルコリンと似たような作用があるそうです。

アセチルコリンは副交感神経に働き、体をリラックスさせる作用があります。

喫煙者はニコチンの摂取で体に必要以上のアセチルコリンが体内に入っていることになり、その状態に慣れることで、ベースの必要量が増えてきます。

(リラックスするためには、非喫煙者よりも多くのアセチルコリンが必要なイメージです。)

そのため喫煙者は、吸わない人に比べて、体の緊張状態が続く傾向があり、たばこを吸うことでニコチンを摂取し、副交感神経が優位に働いてリラックスできるという状態になります。

依存症の状態ですが、たばこを吸わないとイライラする原因は上記にあります。

γ-アミノ酪酸(ギャバ)

他の神経伝達物質とは違い、抑制的に働く物質です。

精神の安定や筋弛緩、外的ストレスの抑制などに関係します。

難しいですよね。

簡単にいうと、脳や体の電源OFFの状態にし、体をリラックスさせたり、睡眠の質を高める作用があります。

ストレスなどに伴い、分泌量は低下するため、夜間の不眠や気持ちが晴れず、そわそわするような症状が生じます。

最近ギャバを含むおやつや飲料が出てきており、「ストレスの軽減」と謳っているのは電源をOFFにし、体をリラックスさせる効果があるためです。

「じゃあギャバをいっぱいとったらいいやん」と思うかもしれませんが、脳や体の電源OFFの状態にするため、朝まで眠気が残ったり、筋肉を弛緩し、力が入りにくいなどの副反応も考えられるため注意が必要です。

また、ちなみにお酒(アルコール)も似たような作用があり、脳の働きを弱める作用があります。

メラトニン オレキシン

睡眠、覚醒に関与します。

メラトニン体内時計に深く関与する物質で、夜に近づくにつれ分泌され、脳の興奮を鎮めることでリラックスを促し、体温を下げることで睡眠を促します。

オレキシン脳の覚醒状態にする作用があります。

余談ですが、近年上記の神経伝達物質を用いた睡眠薬が新薬として処方されるようになりました。

メラトニンを増やす薬として、ロゼレム(ラメルテオン)

オレキシンを抑制する薬として、ベルソムラ(スボレキサント)デエビゴ(レンボレキサント)などがあります。

筋弛緩作用などがなく、自然な形での睡眠を促す薬のため、副作用は比較的に少ないといわれています。

まとめ

今回は神経伝達物質ってなに?というお題にてお話させていただきました。

他にもいろいろな神経伝達物質がありますが、今回は精神科や頓服使用の薬剤選定へのより関連の深い物質を説明させていただきました。

まずは上記のような神経伝達物質がどのような働きをするかを理解することで、頓服での薬剤選定やアセスメント、視野の幅が広がります。

患者様やご利用者様のためになると思いますので、是非みてみてくださいね。

ちなみに僕は下記の文献でこれらを勉強しました。

すごくわかりやすかったので、もし興味があれば一度みてみてくださいね。


またまた余談ですが、最近はたらく細胞ってアニメありますよね。

僕が学生時代にあったらめちゃくちゃ重宝したやろうになーとよく思っています。

今回の神経伝達物質の話はほとんどありませんが、体の中のことをわかりやすく、かつ楽しく解説されている漫画のため、こちらも興味があればぜひ。

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では今日もお疲れ様でした~

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