精神科看護師必見!抗精神病薬について解説!

皆様お疲れ様です。

現役看護師にっと~です。

本日は抗精神病薬についてお話させていただければと思います。

看護師の方なら「不穏時」などの指示でよく見かける薬剤と思いますが、それぞれ薬効が異なります。

目的によってアセスメントし、患者様、ご利用者様に合わせて投与できれば最高と思いませんか?

ただ、精神科、ないし精神科の薬って結構奥が深くてわかりにくい部分が多くあると思います。

そんな方々の参考になれればと思い、今回お話させていただきますので、是非最後まで見ていってくださいね。

抗精神病薬ってなに?

まず抗精神病薬についてお話します。

向精神薬の一種で、主に統合失調症などの治療に使われる薬剤のことを指します。

定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬に分かれており、作用の強弱も異なるものがあります。

おそらく学校でも一度は聞いたことがあるかもしれませんが、簡単に言うと、定型が旧型非定型が新型みたいな認識で大丈夫です。

今から薬について深ぼっていきます。

また今から神経伝達物質が出てきます。

よく内容を知ってもらうために、看護師必見!神経伝達物質について解説!も合わせて読んでもらえるともう少し楽しく見てもらえるかもしれません。

興味があればそちらも見てくださいね。

定型抗精神病薬

神経伝達物質を強力に遮断するため、重篤な副作用を生じる可能性が高いです。

主に定型抗精神病薬ではドーパミンを強力に遮断するものが多くあります。

種類は様々ありますが、よく使われているものを紹介します。

  • ハロペリドール(セレネース)
    ドーパミン遮断効果が強く、主に陽性症状、不穏などの場合に使用されます。

    EPS(錐体外路障害)悪性症候群高プロラクチン血症などのリスクが高いといわれています。

    セレネースは内服でもそうですが、筋注などでも使用しています。

    EPS系の副作用を予防するために、抗コリン薬(アキネトン、ビペリデンなど)も一緒に使用されている場合もあります。

    よく「セレアキいって!」みたいなん先生から言われたことはないですか?

    ようはドーパミン遮断での副作用を抑えようとしているわけです。

    ロキソニンを飲む際に胃薬を一緒にのむようなものですね。
  • クロルプロマジン(コントミン、ウィンタミン)
    レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)

    ドーパミン遮断、α1受容体阻害作用、抗コリン作用、抗ヒスタミン作用などがあります。

    低血圧に伴う立ちくらみやふらつき抗コリン効果(便秘や口渇、尿閉など)過鎮静などに注意が必要です。

    クロルプロマジン、レボメプロマジンはドーパミン遮断に加え、その他神経伝達物質も遮断しており、鎮静効果が高いです。

    人によっては神経系の興奮鎮静目的で、不眠時にこれらの薬が使用されている場合もあります。

    なぜ眠たくなるのかですが、なんとなくドーパミンとかを遮断したら、興奮が収まって眠たくなるイメージは沸きますか?

    その状況に加えて、抗ヒスタミン作用があることが眠たくなる原因です。

    よく花粉症の薬を飲んだら眠たくなりませんか?

    それは抗ヒスタミン作用があるからですね。

    クロルプロマジン、レボメプロマジンなどもヒスタミンを遮断することから眠たくなります。

    定型抗精神病薬は副作用出現の可能性が高いため、投与は慎重に行う必要があります。
非定型抗精神病薬

定型抗精神病薬より副作用発現頻度は少なくなっており、現在主に使われている。

  • SDA(リスぺリドン、インヴェガ、ルーラン、ロナセン等)
    ドーパミン、セロトニンを遮断することで、定型抗精神病薬より重篤な副作用出現リスクが少ないといわれています。

    SDAでは定型抗精神病薬より副作用は生じにくいですが、服用によりEPSや悪性症候群のリスクはあるため、投与には注意が必要です。

    またセロトニンも遮断することで、消化器症状も生じることがあります。
  • MARTA(クエチアピン、オランザピン、シクレスト等)
    多彩な標的受容体に作用(ドーパミン、セロトニン、ムスカリン、ヒスタミンなど)します。

    MARTAでは多様な標的受容体に作用することで、陽性症状や陰性症状に対しても改善効果を示します。

    他の非定型抗精神病薬に比べ、鎮静効果が高いのが特徴です。

    血糖値異常上昇などを生じるため、DM患者には投与ができないため、注意が必要です。
    なぜ血糖値が上昇するかは明らかになっていません。
  • DPA エビリファイ(アリピプラゾール)                                                                           投与量によって薬効が異なる、ややクセの強い薬剤です。
    ドーパミンが過剰な時にはそれを抑制し、低下している時にはドーパミンの神経伝達を促進するという調整機能があるといわれています。
    ※少量(3㎎前後)で抗うつ、12〜24㎎で抗躁、6〜24㎎で抗精神病薬効果

    少量ではドーパミンを補填する働きを持つため、抑うつ状態などの改善の効果を期待できます。

    薬剤量が増えていくごとにドーパミンを抑制していく働きをするため、抗躁効果抗精神病薬効果が得られるようになります。

    副作用は投与量により異なりますが、比較的副作用は少ないと言われています。

    またエビリファイは鎮静効果は弱いため、その他薬剤を併用することもあります。
  • SDAM レキサルティ(ブレクスピプラゾール)                                                                    エビリファイの効果範囲にセロトニンが加わったものというイメージで大丈夫です。

    エビリファイのように薬剤量が少ないと神経伝達物質を増やし、逆に薬剤が多いと遮断するような形です。

    レキサルティはエビリファイに比べると、鎮静効果はわずかに強いですが、その他抗精神病薬に比べると弱いです。

    セロトニンにも作用するため、抑うつ気分や感情鈍麻などにも有効です。

いろいろややこしいところも多くあると思いますが、繰り返し見てもらいながら覚えていってもらえたらなと思います。

抗精神病薬での副作用は?

最後に副作用についてお話します。

抗精神病薬は基本脳の神経伝達物質を遮断します。

悪さをしている部分のみを遮断できればいいのですが、そうはいかず、大事な伝達をしている部分にも作用してしまったり、過剰に遮断することで副作用が発生します。

副作用は下記にあたります。

  • 過鎮静
  • 錐体外路障害(EPS)

    パーキンソ二ズム
    筋固縮や振戦、小刻み歩行、仮面様顔貌などを認める。
    ジストニア
    筋緊張が著明になり、強直、捻転が生じて奇妙な姿勢となる。

    アカシジア(正座不能)
    不快感にてじっとできない状態。

    遅発性ジスキネジア
    咀嚼運動、舌を出したり戻したりを繰り返す不随意運動を生じる。
  • 悪性症候群                                                                                                              40度以上の高熱、筋肉の強剛が著明に出現し、強剛の継続にて筋繊維が破壊され、CKが上昇する。
    前駆症状として発汗、頻脈、無動、筋硬直、言語障害、流涎、嚥下障害などがある。
    出現時には主治医に報告の上すべての抗精神病薬を中止検討し、補液やダントリウムNaの投与の相談をする必要がある。
  • 高プロラクチン血症
  • 起立性低血圧

これらの症状がある場合には、服薬している薬を確認し、該当する薬がある場合にはDrに相談し、中止や薬剤の変更も検討してもらう必要があるため、視点として持っておく方がいいと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

わかりにくい部分もあったかと思いますが、薬効や注意点を理解できれば視点が広がっていきます。

おそらく精神的な部分は看護師として仕事をしていく以上、必ず触れる部分と思います。

ぜひ繰り返し読んでもらえると幸いです。

ちなみに僕はこの本で勉強をしました。

個人的にすごくわかりやすくて、病棟でもすごく役に立ちました。


最新版が出ていたので、そちらを添付させていただきますね。

では本日もありがとうございました。

お疲れ様でした~

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