現役看護師が解説!認知症の方との会話で困ったときの対処法

医療のあれこれ

皆様お疲れ様です。

現役看護師にっと~です。

本日は認知症の方との関わり方についてお話させていただければと思います。

認知症の方との関わりは、看護師や介護、医療従事者でなくても身近にあるのではないかなと思います。

そんな中、認知症の方と会話をしていて、

「ごはんまだー?」、「誰やったかな?」等同じことを何回も聞かれたり、返答に困ったりした経験はありませんか?

認知症の方と関わる際に「どのように対応するのが正解かわからない」と感じる方、悩む方はたくさんいらっしゃるのではないかなと思います。

今回そんな方々のために、僕自身精神科での経験も交えながら、認知症の方との会話で役立つコツについてお話できればと思います。

是非最後まで見ていってくださいね~

認知症の人と関わる基本的な考え方

まず認知症の方との会話でよくある困りごととして、

  1. 同じ質問を繰り返す
  2. 現実と違う話をされる(物とられ妄想等)
  3. 感情的になる
  4. 会話が理解できない

等が上がってくるかなと思います。

僕自身精神科時代に認知症の方と関わる中、

「私まだ昼ご飯食べていません。」と執拗に怒られることが度々ありました。

その都度「もう食べたじゃないですか」と修正しますが、納得いかれず、油に火をそそぐ状態となったことをすごく覚えています。

まず認知症の人は短期的な記憶が不得意で、一部分ではなくその体験時代がごっそりと抜けることがベースにあります。

(脳血管性認知症などのまだら認知症では短期記憶が残っていることもあります)

そのため、「昼食を食べた」といわれても、その前後の記憶がごっそり抜けるため、「まだ食べていない」となっている方が多いです。

僕らでもそうだと思いますが、身に覚えのないことをいきなり言われても「そんなんしてない」ってなりませんか?

いきなり警察がきて、「あなた窃盗したでしょ」といわれても身に覚えがなければ「いや。そんなんしてません」と怒ると思います。

認知症の方はそのような状態であると意識することで関わり方が変わってくると思います。

今から具体例をお話させていただければと思います。

対応の工夫について

まず、認知症の方と関わる上で大事なことは「安心感を優先する」ことだと思います。

基本的には

  • 否定しない(修正しない)
  • 傾聴する(受け止める)
  • 短く、わかりやすく伝える
  • 相手の感情に寄り添う

等が上がってきます。

  • 同じ質問を繰り返す

根気強く同じ質問に答えながら、安心できる声掛けをすることが大事と思います。

上記の実例で考えると、「私まだ昼ご飯食べていません」に対して、上記のように「もう食べたじゃないですか」だと怒り出すと思います。

「今はお昼の14時でもうご飯は食べられていますよ。おなかすきましたか?」などのように声掛けを変えると与える印象もガラッと変わります。

食べたと否定するのではなく、事実と相手に寄り添う声掛けをすることで、落ち着く方が多くいらっしゃいます。

  • 現実と違う話をされる(物とられ妄想等)

否定をせずに受け止める姿勢が大事です。

実例で考えます。

「あの人に財布取られた」と僕に相談がありました。

物とられ妄想があり、他患者様がターゲットとなっていました。

「そんなんしてないです」ときっぱり否定すると、かえって逆上したり、「あんたもグルか」とあなたも物とられ妄想の範囲にはいってしまうなどの可能性もあります。

まずは否定をせず、「そうなんですか。ショックですね」等受け止めたうえで、なぜそう思うのかを聞いてみるのもいいと思います。

「あの人私のそばをずっとうろうろしてた」等との発言があり、「でももしかしたらお部屋にあるかもしれませんよ。一緒に探しませんか?」と声掛けし、部屋を探した結果、実際に部屋の中にありました。

上記のようにまずは否定をせず、受け止めることが大事と思います。

  • 感情的になる

環境を変えて、落ち着く空間を作ることが大事です。

いきなり怒り出す人等結構いらっしゃいます。

言葉で話し合いをすると、お互いに油に火を注ぐ状態となりかねません。

まずは、怒っている原因を簡単に確認し、落ち着いてもらうために環境を変えることがいいと思います。

居室で怒り出したなら、一度食堂へ一緒に行き、コーヒーを飲みながらもう一度落ち着いて話を聞ける環境を作ります。

少し落ち着くと「ごめん。頭に血がのぼってな」と謝罪される方も少なくありません。

まずは環境を調整し、心を静めるように配慮することが有用かなと思います。

  • 会話が理解できない

簡単に返答できる内容の質問を行うことでコミュニケーションが図りやすくなります。

意思疎通が難しくなるケースもあります。

そのような場合には、テーマを限定して話をしたり、「はい」「いいえ」でこたえられるような質問を投げかけることがいいかなと思います。

疎通が入らないからといって、無下に扱うのはその人を否定することにもつながりますので、辛抱強く対応いただけると良いなと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は認知症の方との関わり方の工夫というテーマでお話させていただきました。

上記になんとなくの具体例を挙げましたが、「完璧に対応できなくても大丈夫」ですし、「関わり方に正解はない」と思います。

その人のことを真剣に考えて対応した結果なら、きっとその方も答えてくれると思います。

またもし家族が認知症でとお困りごとがあれば、各専門職にもご相談いただくと良いかなと思います。

その人のことを知っている専門職ならきっと良い関わり方を知っていると思います。

是非頼ってみてくださいね。

皆様のお役に立てていれればうれしいです。

ではお疲れ様でした~

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